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たそがれた映画

かもめ食堂に続いて楽しみにしていた「めがね」、今日観てきました。

何にも特別な事件も起こらず、特に山場といった場面もなく
物語は淡々と流れます。

小林聡美さんは、かもめ食堂のサチエさんとは少し雰囲気が
違っていましたが、しぐさの一つ一つがきれいな人だなーと
今回も思いました^^

「もたいまさこさん」目当てで行ったようなものですが、もたいさんワールドを
今回も堪能できました。お辞儀のしかたや話し方、目の動き、歩き方に至る
まで、その姿を見ているだけで癒される気持ちがします。

白い砂浜、海の色はエメラルドグリーンで、沖縄ロケかなと思ったのですが、
もう少し本土よりの与論島だったようです。
私は与論島には行ったことはありませんが、私の故郷の田舎の風景に
どこか似ており、サトイモ畑や少し熱帯植物っぽい植物が茂った田舎道など
まだ舗装もされていなかった子供時代の景色とそっくりでした。

物語は、海辺の民宿のような旅館(?)に主人公が重いトランクを持て余し
気味に引きずりながらやってくるところから始まるのですが、携帯電話
が使えない場所に行きたかったという理由だけでそこを選んだという
ものでした。

都会の喧騒や、追い立てられる日々の暮らしから逃れるように、
ネットもテレビもないような場所で1週間くらい過ごしてみるのも
いいだろうなーと思います。でも、主人公も最初戸惑ったように
「ここはたそがれる人の来るところなんです」と言われても
どうすればたそがれられるのかさえピンと来ないような気も
します。観光地って場所でもなかったし。

初めは「夕焼けくらいでそがれるなんて、たいした事のない人ね」と島の
若い女性に言われた主人公は、やがて持ち込んだ本や荷持に囚われず
頭の中が空っぽになった頃、新鮮な食材で作ったご飯の美味しさに気付き
苦手と思っていたものが、実は心が癒されるものだったんだという発見をしていきます。
何気ない人との触れあいや会話にも、やがて心身の奥からリフレッシュ
して生き生きとした表情に変化していきます。

この島で働く若い女教師は、「もう、死にた~い」と
口癖のように言いますし、
「永遠に生きるってどういう事なんだろうね」と
つぶやいたりしますが、
単にのどかだから満たされるわけでもなく
それぞれが事情はよく分からないけれど、
深い部分で傷ついたり
悩んだりしながら生きている。
だけどうまくいかない時には、

「ゆっくり休んでそれからまたやり直せばいいんだよ」

そんなメッセージが聞こえてくるような映画でした。

たそがれた映画_d0115758_1814407.jpg


もたいさん、いいなーあの雰囲気、好きです♪
by hanamizukidayo | 2007-10-10 18:22 | 趣味