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父の最期

混乱している姪を落ち着かせるために、弟はおじいちゃんはベッドで眠るように逝ったと言ったが、実際は少し脚色している。

介護保険のお世話にもならず、母と同居している弟夫婦のお陰で7年前一度死にそうになったにもかかわらず父は自宅で療養生活を送っていた。遠くに住む娘たちに心配かけまいと父も母も弟さえ、たまに入院し点滴を受ける時があっても教えてくれなかった。電話に誰も出ないと、「もしや具合が悪いのではないか」と案じた日は幾度かあった。

父の死の1週間前、母に様子を聞くと「最近食欲がなくてね。寒い時期は毎度のことだけど寝てばかりいることが多いんだよ」と言っていたので嫌な予感がした。

それで今年の暮れは休みを取り、会いに行かなければと決めていた。
その電話以来、毎日父のことが頭から離れなかった。胸騒ぎがしていた。


今思えば、12月1日午後1時40分頃、携帯が鳴り、弟からだと分った時点で
すべて了解したも同然だったと、思う。

12時少し前に母が声をかけ、そのまま茶の間に戻り待っていたが、なかなか起きてくる気配がないのでトイレにでも行ったのかと様子を見に再びいったら、ベッドの下にうずくまっていたという。
意識を失っていたので、急いで救急車を呼び、近所の人たちも一緒に病院に向かったそうだ。
弟が駆けつけたが意識は戻らず、心肺停止状態になった時点で私に電話を寄こした。

「今、蘇生処置をしてるがもうダメかもしれない」

「分った。すぐ行くからね」 短いやり取りを交わした後、職場に電話をして
仕事の途中で申し訳ないが誰かと交替してもらえないか強引に頼んだ。
(夫の親の時も仕事中だったので間に合わず深く反省したことだった)

帰宅の途中に夫に連絡。夕方から義理の兄のお店を手伝う予定だったことも思い出し、行けなくなったと伝えてもらった。

家から関西の妹に電話すると「そうだったの。私は仕事で今日は間に合わない。明日にするね」とえらく落ち着いていた。提責なので立場はよく分る。覚悟してたはずだし。それよりも・・・・

JW妹へはどうやって知らせるか?普通なら私の役目だ。でも言いにくい。 弟は電話どころではないだろう。でもまだはっきり死んだとは限らない。ダメならその時点で再度連絡が来るはずだ。はっきりした時点で電話するしかないと思いながら荷物を詰め込み、家族の礼服を取り出し、万一の時にすぐ使えるように仕舞っておいたお金を準備し、猫の世話を友人に頼みパソコンで飛行機の手配。その前に家族の予定も確認だ。

あっという間に夕方になってしまった。家に電話しても誰も出ない。弟に電話を入れたらどういうわけか弟の嫁さんが出て、まだ病院だという。まだ病院?じゃあ意識が戻ったのかと一瞬思ったが、そうではなかった。1時過ぎになくなったようだと言う??? 病院では携帯使えないからあなたは電話番兼連絡のために家に残ったんでしょう? それなのに、妹たちににどうして連絡しないのか。私にも。亡くなったようだ、とは???

深く考える暇はなかったが、この様子ではJW妹に誰も連絡してないだろうと判断し、携帯にかけてみた。
妹にとって親しかった姉妹のお葬式から帰ったばかりというタイミングだった。短く伝えた。

結局父は、倒れた時のまま意識が戻ることなく逝った。
蘇生処置を施し息を吹き返したとしても、時間の問題だっただろう。

意識が戻らなくてむしろ良かったと思う。
苦しい思いをしないで済んだのだから。

父は一人で起きたり寝たり、自分の手で物を食べ、自分の意思に沿って
ある程度のことを最後まで自立して生きた。一緒に住む家族の支えがあった
からこそではあるが、甘えもせずかと言って人に厳しくもなく穏やかなすばらしい
最後を見せてくれた父だった。ありがとう、すみません あなたの娘なのにね。
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by hanamizukidayo | 2008-12-09 01:04 | 日常